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発掘調査|詳細

情報更新日:2013.10.20

函館市豊崎C遺跡 (登載番号 B-01-252)

はこだてしとよさきしーいせき

調査期間
2007年05月07日から2007年08月28日
調査事由
開発事業(道路)
調査地
函館市豊崎町260,353
調査主体
函館市教育委員会,特定非営利活動法人 函館市埋蔵文化財事業団
調査面積
1,500㎡(Ⅲ層)、3,300㎡(Ⅴ層)
時期
縄文時代後期前葉

調査の概要

 遺跡は,函館市南茅部地域の豊崎町を流れる葡萄川右岸の標高60~70mの海岸段丘上に位置しています。
対岸には豊崎D遺跡,南東側には豊崎I遺跡が所在しています。
昨年度は,調査面積3,300㎡のうち1,800㎡(Ⅲ層)の調査を実施しています。検出された遺構は,縄文中期末葉に構築されたと思われる竪穴住居跡1軒,土坑11基,屋外炉5基,焼土4か所,柱穴状ピット10基,集石遺構1基です。
今年度は,昨年に引き続きⅢ層の調査を1,500㎡,Ⅴ層の調査を3,300㎡実施しました。


特徴的な遺構

 [Ⅲ層の調査]
調査では遺構は検出されませんでした。
[Ⅴ層の調査]
検出された遺構は,集石炉1基,集石6か所,集石帯1基です。集石炉は調査区北西側の標高約67mに位置し,規模は直径約2m,深さ約0.25mの円形を呈しています。掘り込みは浅いが明瞭で,炉内には10㎝から30㎝前後の角礫約300個が用いられ,被熱により赤く変色およびクラックを生じています。炉内からは炭化物が検出されています。
遺物は,東釧路Ⅳ式の土器片が出土していることから,集石炉が造られた時期は,早期末葉と推測されます。6か所の集石は,調査区の東側の標高約62~64mに分布しており,5㎝~10㎝前後の被熱による破砕礫が検出されています。
集石からは,炭化物が検出されていますが,掘り込みおよび焼土は確認されませんでした。集石帯は葡萄川に面した調査区の西側から北側にかけて長さ約44m,最大幅約10mの範囲に,大きさ5㎝~30㎝前後の角礫が約8万点,重量約6トンが集中して出土しました。検出状況から,人為的な堆積の可能性が高いと思われます。

  • 調査区遠景

  • 集石炉・集石帯検出状況


主な遺物

 [Ⅲ層の調査]
調査では遺構は検出されませんでした。遺物は縄文中期・後期・晩期の土器片が41点,石鏃・つまみ付ナイフ・スクレイパー・石斧・擦石などの石器類が43点出土しています。
[Ⅴ層の調査]
遺物は土器片が60点,石器類が909点出土しています。


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