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発掘調査|詳細

情報更新日:2013.10.20

函館市豊崎B遺跡 (登載番号 B-01-248)

はこだてしとよさきびーいせき

調査期間
2007年10月02日から2007年11月16日
調査事由
開発事業(道路)
調査地
函館市豊崎町231・368
調査主体
函館市教育委員会,特定非営利活動法人 函館市埋蔵文化財事業団
調査面積
1,840㎡
時期
縄文時代後期

調査の概要

 函館市豊崎町にある佐藤川左岸の標高42~52mの海岸段丘上の緩斜面に位置します。周辺には,豊崎C・豊崎D・豊崎E・豊崎F・豊崎J遺跡が南側に,豊崎K・豊崎N・豊崎O・豊崎P遺跡が北側に所在しています。
遺跡は昭和50年に北海道教育委員会が行った一般分布調査により確認されました。その後,平成16年度に一般国道278号道路建設工事に係わる所在確認調査が行われています。今回の調査は,縄文前期~晩期の遺物包含層であるⅢ層を対象に実施しました。


特徴的な遺構

 確認した遺構は,竪穴住居跡14軒,土坑10基,落し穴1基,焼土12か所,集石1か所です。
竪穴住居跡は,直径3.1~5.6mで,深さは0.3~0.7mの規模です。住居跡の構築時期は,全て縄文後期と考えられ,土器型式が捉えられるものでは,澗式期1軒と堂林式期8軒です。住居跡のなかには,火災住居が5軒確認されており,炭化した構造材が放射状に倒れた状態で検出されたのもがあります。壁際には,縦横に組まれた材の間に笹もしくは葦(よし)などの茎が「しがらみ」状に残存して検出されました。また,炭化材と共に焼土やロームブロックが覆土に厚く堆積するものが2軒あり,屋根に土を乗せていたことが推測され,住居構造を知る上で貴重な資料が得られました。
炉は9軒で確認され,円礫を円形に組んだ石囲炉が1軒,地床炉が8軒でした。また,出入り口構造には住居内側に張り出しをもつものが8軒あり,このうち付随する溝状ピットをもつものが2軒確認されました。この他,地床炉と出入り口との間に立石が認められたものが3軒ありました。

  • 火災住居跡

  • 完掘全景


主な遺物

 遺物は,土器10,347点,石器類3,443点など総計13,790点が出土しています。土器は縄文前期~晩期のものが確認され,後期末葉の堂林式に相当するものが主体です。石器は,石鏃・石錐・つまみ付ナイフ・石斧・敲石・擦石・砥石・石皿・台石などの他,石鋸や擦切残片も出土しています。


一般財団法人

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