情報更新日:2013.10.20
はこだてしうすじりしょうがっこういせき
遺跡は,臼尻町を流れる垣ノ島川と坂東川に挟まれた海岸段丘上に位置しています。周辺には,臼尻A~D遺跡・電々公社合宿舎遺跡が所在しています。発掘調査は,昭和44年の臼尻小学校改築に伴い実施されたのが最初です。
その後,昭和54年には臼尻小学校プール建設に伴う調査が行われ,平成16年・17年の調査には,一般国道278号道路建設工事に伴い実施され,多くの成果が得られています。
調査では,まず上位の遺物包含層(Ⅲ層)を調査したのち,駒ケ岳のKo-f・Ko-g火山灰層(Ⅳ層)を除去し,下位の遺物包含層(Ⅴ層)の調査を行いました。
[Ⅲ層の調査]
確認された遺構は,竪穴住居跡11軒・土坑墓1基・土坑18基・焼土5か所です。竪穴住居跡の時期は,縄文中期が1軒,後期が10軒です。
土器型式が捉えられるものは,手稲式期に併行するものが2軒,澗式期に併行するものが4軒あります。
後期の竪穴住居跡のなかには,出入り口構造が確認できるものが4軒ありました。出入り口構造には,住居内側に張り出し部と付随する溝状ピットをもつものが2軒,溝状ピットのみをもつものが2軒確認されました。
土坑墓は,調査区中央の北西側に位置しています。
[Ⅴ層の調査]
調査の結果,確認された遺構は,土坑5基・焼土3か所です。
Ⅲ層の調査状況
[Ⅲ層の調査]
遺物は,土器7,163点,石器類2,593点,漆塗櫛1点など総計9,756点が出土しています。
[Ⅴ層の調査]
東釧路Ⅳ式の土器や石器など285点が出土しています。
漆塗櫛の出土状況