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発掘調査|詳細

情報更新日:2013.10.24

函館市豊崎B遺跡 (登載番号 B-01-248)

はこだてしとよさきびーいせき

調査期間
2008年05月07日から2008年07月15日
調査事由
開発事業(道路)
調査地
函館市豊崎町231.368
調査主体
函館市教育委員会,特定非営利活動法人 函館市埋蔵文化財事業団
調査面積
2,290㎡

調査の概要

 豊崎B遺跡は,函館市豊崎町を流れる佐藤川左岸の標高42~52mの海岸段丘上に立地しています。
平成19年度に1,840㎡の発掘調査を実施し,縄文時代後期中葉から末葉の竪穴住居跡14軒などの遺構が確認されました。
遺物は,縄文前期から晩期の土器・石器など約14,000点が出土しました。
今年度の調査では,まず上部の遺物包含層(Ⅲ層)を調査したのち、駒ヶ岳のKo-f・Ko-g火山灰層(Ⅳ層)を除去し,下部の遺物包含層(Ⅴ層)の調査を行いました。


特徴的な遺構

 【Ⅲ層の調査】
確認した遺構は,竪穴住居跡14軒(うち3軒は昨年度からの継続調査),土坑20基,屋外炉2基,集石1か所,剥片集中4か所です。竪穴住居跡は,後期末葉を主体とするもので,平面形は円形を呈し,規模は直径3~10m,深さ0.5~1.6mです。炉は地床炉と円礫を円形に組んだ石囲炉の2形態が確認されました。住居跡のなかには,火災住居が7軒あり,炭化材と焼けた土が混在して堆積しているものが見られることから,土葺き屋根であった可能性があります。また,出入口構造が確認されたものが12軒、炉と出入口部の間に立石が認められたものが2軒ありました。
【Ⅴ層の調査】
確認した遺構は,早期中葉の竪穴住居跡1軒,土坑5基,屋外炉1基,剥片集中1か所です。
住居跡は,直径約5mの円形で深さが約0.6mで,炉は地床炉です。

  • H‐8 炭化材出土状況

  • 竪穴住居内の石囲炉


主な遺物

 【Ⅲ層調査】
遺物は,縄文時代前期から晩期,続縄文時代の土器が約6,300点出土し,後期末葉のものが主体です。石器は,石鏃・石錐・つまみ付ナイフなどの剥片石器が約120点,石斧・たたき石・すり石・石鋸・砥石などの礫石器が約200点,剥片・礫などが約3,800点出土しました。
特筆されるのは,H-8竪穴住居跡の出入口付近の床面ピットからアワビの貝殻痕が付いたアスファルト塊が出土したことです。アスファルト塊の大きさは,長さ13.7cm,幅9.8cmの楕円形で,厚さ5.2cm,重量366gです。
【Ⅴ層調査】
土器が約200点,石鏃・石錐・つまみ付ナイフ・スクレイパーなどの剥片石器が20点,石斧・たたき石・すり石などの礫石器が14点,剥片・礫などが約600点です。

  • H‐8 アスファルト出土状況(表面)

  • 漆製品出土状況

  • 注口土器(縄文時代後期)出土状況


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