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発掘調査|詳細

情報更新日:2013.10.24

函館市豊崎O遺跡 (登載番号 B-01-317)

はこだてしとよさきおーいせき

調査期間
2007年06月28日から2007年10月12日
調査事由
開発事業(道路)
調査地
函館市豊崎町141・211
調査主体
函館市教育委員会,特定非営利活動法人 函館市埋蔵文化財事業団
調査面積
2,065㎡

調査の概要

 遺跡は,南茅部地域の豊崎町を流れる名無川右岸に立地します。調査区は標高約43~47mと約28~32mの海岸段丘上に位置します。遺跡から海岸線までの直線距離は約150mで,名無川は東へ約100mの豊崎トンネル北側から太平洋へと注いでいます。
遺跡は平成16年度に北海道教育委員会が行った一般国道278号函館市尾札部道路工事区域内の遺跡所在確認調査により確認されました。調査は上位の遺物包含層(Ⅲ層)を調査したのち,駒ケ岳のKo-f・Ko-g火山灰層(Ⅳ層)を除去し,下位の遺物包含層(Ⅴ層)の調査を行いました。


特徴的な遺構

 [Ⅲ層調査]
遺構は,焼土3基が確認されました。
[Ⅴ層調査]
遺構は,南北に張り出す標高約46mの緩斜面を中心として分布し,土坑墓4基,土坑17基,集石炉1基,埋設土器1基,焼土31か所,集石5か所,剥片集中16か所,石器埋納遺構1基を検出しました。
土坑墓には,早期の土器や石斧を副葬したものが確認されました。土坑のなかには,フラスコ状を呈するものが5基あり,規模は直径2~3m,深さ2.0~2.7mの大型のものが確認されました。このうち1基には,坑底面に葦簀(よしず)状の敷物と考えられる圧痕が検出されました。
集石炉は,長方形の掘り込みの中に20㎝前後の被熱した円礫220個と炭化物が混在して出土しました。

  • 調査区近景

  • 大型貯蔵穴の土層断面


主な遺物

 [Ⅲ層調査]
遺物は,縄文中期~晩期・続縄文時代の土器323点,石鏃・つまみ付ナイフ・スクレイパー・石斧などの石器類828点が出土しています。この他,石製品には滑石製の垂飾が1点出土し,遺物数総計は1,152点です。
[Ⅴ層調査]
遺物は,貝殻文土器(平底が1個体の他は全て砲弾状の尖底),東釧路Ⅱ~Ⅳ式相当の土器が9,900点,石鏃・石槍・石錐・つまみ付ナイフ・スクレイパー・石錘・石斧・敲石・擦石・砥石・台石などの石器類が47,835点出土し,総計は57,735点です。


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