情報更新日:2013.10.22
かめだなかのにいせき
平成23年度から継続調査しており、第2次の調査となります。遺跡は、中野川右岸の丘陵上、標高85~89mに立地しています。前年度の調査では、縄文時代中期中頃の住居跡、土坑、落し穴を検出しています。平成24年度の調査区は前年区域に隣接した緩斜面及び中野川へ下る傾斜地縁辺で、中野川寄りに多くの遺構・遺物を検出しました。
調査区北側に隅丸方形の住居跡1軒を検出しています。規模4m程で地床炉を伴い、床面から2個体の土器が出土しています。南側の緩斜面では、柱穴が長方形に配される掘立柱建物跡1軒、小型のフラスコ状土坑1基を検出しています。土坑は全体で52基確認しています。落し穴は長楕円形タイプと円・楕円形タイプがあり、後者は底面中央に小ピットを伴っています。この落し穴は中野川へ下る斜面縁辺ラインに7基連なって検出されました。ほか、南側の緩斜面で竪穴状遺構1基、焼土8か所、剥片集中1か所を確認しています。
円・楕円形落し穴の配列状況
円・楕円形落し穴の完掘状況
縄文時代中期のサイベ沢Ⅴ式~Ⅶ式土器が出土しており、大多数はサイベ沢Ⅶ式に相当します。ほか、中期後半の土器も僅かに確認できます。石器は石鏃、石錐、つまみ付ナイフ、スクレイパー、石斧、敲石、凹石、北海道式石冠、擦石、石錘、石皿があります。石錐の内1点は水晶を用いた棒状錐です。礫石器は擦石類が多くを占めます。
縄文中期土器の出土状況(P-38)
礫石器出土状況(擦石)